為替レートと隠れた為替マージン
仲値とは何か、日本の銀行のTTS/TTBとスプレッドの仕組み、そして業者の為替マージンを計算して「隠れコスト」を見える化する方法。
仲値は卸売価格の中立な中間値です。銀行や業者はそこにマージン(スプレッド)を上乗せします。そのマージンは |業者レート ÷ 仲値 − 1| × 100 で測れます。
要点
- 仲値(インターバンクレート)は卸売の売買の中間値で、ベンチマークであり保証された小売レートではありません。
- 日本の銀行は、円で外貨を買うときのTTSレートと、外貨を円に戻すときのTTBレートを公表します。仲値との差がコストです。
- マージン率=|業者レート ÷ 仲値 − 1|×100。レートの向きを一貫させて計算します。
- 「1ドルあたり1円」などの公表マージンは、小口では小さくても金額に比例して増えます。
仲値:ベンチマーク
仲値は、卸売市場の売り値と買い値の中間点です。比較のための最も公平で中立なベンチマークであり、レートサイトやWiseがこれを提示する理由です。ただし、保証された実行可能な小売レートではありません。
公的な参照レートも同様です。2026年7月31日、欧州中央銀行の情報提供目的の参照レートは概ね1ドル約160.235円を示唆しました。ECBはこれをベンチマークであり取引レートではないと強調しています。計算には有用ですが決済用ではありません。
TTS・TTBとスプレッド
日本の銀行は通常、円で外貨を買う顧客向けのTTSレート(対顧客電信売相場)と、外貨を円に戻す顧客向けのTTBレート(対顧客電信買相場)を公表します。仲値と対顧客レートの差が為替コストで、TTSとTTBの差が往復のスプレッドです。
銀行は単位あたりのマージンを示すことが多いです。たとえば三井住友銀行は、個人向けオンライン外国送金で米ドルの為替マージンを概ね1ドルあたり1円と示し、ユーロは1ユーロあたり約1.40円など通貨ごとに異なるマージンを掲げています。
マージンの計算
マージン率=|業者レート ÷ 仲値 − 1|×100。レートの向きを一貫させます。外貨1単位あたりの円で比べるなら、送金人が払う円レートが高いほど不利。1円あたりの受取外貨で比べるなら、数値が低いほど不利です。
計算例:仲値が1ドル160.235円、銀行の対顧客レートが1ドル161.235円(マージン1円)なら、マージンは|161.235 ÷ 160.235 − 1|×100 ≈ 0.62%。30万円ではこのマージンだけで約1,870円になり、これに定額の送金手数料が加わります。
こんな方向け
- 銀行のレートがGoogleと違う理由が分からない方
- 両替の本当のコストを見積もりたい方
この情報でできないこと
- レート予想や「両替の最適タイミング」の予測を求める方
- 参照レートや仲値はベンチマークです。実際に約定するレートは取引時点で決まり、異なることがあります。