自営業の年金と健康保険
自分で払う国民年金と国民健康保険、そして不足を埋める任意の上乗せ。
個人事業主は国民年金(定額)と国民健康保険(所得連動・自治体が請求)に加入し、いずれも全額自己負担で払い、任意の上乗せで将来の給付を増やせます。
要点
- 労使折半はなく、両方の保険料を全額自分で払います。
- 国民年金は年度ごとに決まる定額です。
- 国民健康保険は所得連動で、自治体が金額を決めます。
- 任意の上乗せ(付加年金・国民年金基金・iDeCo)で将来の給付を増やせます。
加入する2つの制度
会社員から自営になると、多くは厚生年金・健康保険から国民年金・国民健康保険へ切り替わります。国民年金は定額の保険料で、令和8年度(2026年度)は月17,920円。所得に関係なく一律で、前納割引や低所得者向けの免除・猶予の手続きがあります。国民健康保険は異なり、自治体が前年所得から保険料を計算するため、稼いだ翌年に上がり、年間の上限が設けられています。
どちらの切替も自己責任で、期限があります。退職時は原則、国民健康保険への加入(または元の保険を最長2年継続)に短い期限があり、年金の種別変更は市区町村の窓口で届け出ます。逃すと未加入期間や後日の請求が生じます。
保障の不足を埋める
自営は会社の拠出と引き換えに自由を得ますが、現実の不足も残ります。会社員より将来の年金が少なく、多くの人に傷病時の所得補償がありません。付加年金で年金の底上げを安く行い、国民年金基金やiDeCoでより大きな、控除できる上乗せを足せます。病気で失う収入には、就業不能保険や現金のバッファが、会社員の傷病手当金の代わりになります。
2つのルールが効率を生みます。国民年金・国民健康保険の保険料は社会保険料控除の対象で、上記の退職・年金制度も別枠で所得控除になります。つまり自分の備えに回すお金が今年の税も下げます。だからこそ姉妹ガイドでは、自営の退職準備を一つの計画として扱います。
こんな方向け
- 退職して開業する新規個人事業主
- 年金と健康保険を計画するフリーランス
この情報でできないこと
- 社会保障協定の詳細
- 個別の資格判定
- 保険料・上限・免除は年度と自治体で変わります。日本年金機構と市区町村で確認してください。
よくある質問
日本で自営のとき、年金と健康保険はどうなる?
個人事業主は原則、国民健康保険と国民年金に加入し、いずれも自己負担で支払います(会社との折半はありません)。国民年金は定額、国民健康保険は所得連動で自治体が請求します。不足を補うため、国民年金基金・iDeCo・就業不能保険などの任意の備えを足せます。これらも税金の積立に含めて計画しましょう。
自営業者は退職準備をどう節税しながら行う?
自営業者は控除できる制度を重ねられます。小規模企業共済は月1,000〜70,000円(年最大84万円)を全額控除で積み立て、廃業・引退時に受け取ります。iDeCoは自営業者なら月最大68,000円を拠出でき、この枠は国民年金基金と共通です。付加年金は国の年金を安く増やします。いずれも今年の課税所得を下げつつ自分の備えを作ります。一時金の受取時期のルールは相互に影響するため、大きな受取は専門家と計画しましょう。